消費者の心理を自分事にして考える癖をつける

消費者の心理を自分事にして考える癖をつける

デザイン制作の依頼をいただいて、サービスや商品を売るための販促品に関わることが多いですが、チラシやポスター、バナー制作をするうえで気になる点があるので記録しておこうと思います。

人が何かを買ったり、お金を払って契約したりするときにはそれなりの購入する理由が必ずあります。デザイナー自身にとっては、ほとんど興味もなく購入意欲があるわけではない商品の場合に起こりやすいですが、きっとこれを欲しい人が一定数存在するんだろうな・・・という前提でついついデザインをしてしまいがち。そうすると、事なものを見落としてしまっていることに気が付かないケースがあります。そもそもその商品が与える購入者への影響が何なのか?を知らずに商品の良さを伝えられるわけがないのです。



消費者がものを買うには理由がある

消費者がものを買うには理由がある

お金を支払って商品やサービスを購入すること。
当たり前のことですが、購入者は自らのお金を支払うのです。それが100円であれ10,000円であれ、購入する理由がそこにはあるということを忘れてはいけません。

また、販売している商品が何に分類されるものなのか?で購入者の判断基準は違ってきます。消費者にとってその商品が生きていくために必要な衣食住」に関する事柄である場合と、趣味に関するものなどの嗜好品」の類に分類されるものの場合、商品やサービスの必要性や価値、購入するかどうかの判断基準には大きな差があるものです。

食べ物を食べないと死んでしまうから食料品を買う。衛生的な暮らしをしないと病気になってしまうから家に住む。裸でうろついていたら捕まってしまうので服を着る。これらは本能であり、最低限「人」として生きていくうえで必要なことであり保証されるべきことであるのは間違いありません。そしてそれらは、私たちが自然と心で求めている本能に関わるものでもあります。

それに比べて、英語が話せたらもっと旅行できる世界が広がるんだよな・・・とか、最新のiPhoneにしたら充電の減りも遅くなるし、サクサクネットがつながるんだよな・・・とか、最新のあのスニーカー履いてたらかっこいいんだよな・・・とか、これは人間の三大欲求ではない部分が動機になっている感情です。

欲しい!という動機は生み出せる

欲しい!という動機は生み出せる

このふたつの違いを理解した上で、伝えるべきことを考える必要があります。例えそれが衣食住に関することであっても人は欲しい、必要だと思わなければ買わない。美味しいなら何でも買うわけではないし、健康でいたいからいい家に住みたいというわけでは一概にないということ。また、その逆に嗜好品であっても「なんか面白そうだから買ってみよう」という動機づけが弱くても購入するケースもあります

つまり、消費者が感じる必要性と購入の動機を想定して、それにマッチした提案方法をするということが大切になります。購入する動機は何なのか?そこにはいくつもの答えが存在します。正解はひとつではない。ということは売り方もひとつではない。それを購入する理由はさらに売り手側が作りあげることもできるということ。消費者も気付いていないニーズを掘り起こすことで購入してもらえるということもあるのです。きっと誰でも経験があるのではないでしょうか?欲しいと思ってたわけではないのに、つい欲しくなって買ったものが。欲しいという動機は急に生まれることもあるのです。そのきっかけはインフルエンサーかもしれませんし、タレントがいいよとTVで紹介していたのかもしれません。

SNSにより拡散させれば物が売れる!ということではなく、効果的に動機づけをしてもらうキッカケを作ることに意味があるのです。それがマーケティングであり販促計画であるのです。デザイナーであればそういった全体の流れをイメージできるかどうかで、作りあげるものは変わってくるのはわかると思います。さて、あなたはどこまでを考えるデザイナーになりますか?



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