リモートワークを望む代償を理解しているか?

リモートワークを望む代償を理解しているか?

コロナ期より様々な企業がリモートワークを推奨し実施してきました。これは働く人々が感じていた通勤の煩わしさ、非効率性を解消する手段として待ち望んでいた社会の流れだったのではないでしょうか?先月11月から、とある理由で私自身リモートワークをしていますが、この2ヶ月自宅で仕事をしてみて感じたことがあったので記録しておこうと思います。

ここ最近、求人への応募者リストを見ていると、転職条件としてリモートワークが絶対条件という人がかなりの人数います。働き方の希望は人それぞれなので、リモートワークを希望すること自体に私自身反対はしていません。条件の合う企業に巡り合えれば、お互いWin-Winの働き方であると思いますので、うまくマッチングすることを願うばかりです。しかしながら、実際のところコロナ期も明け、徐々にリモート勤務を廃止する企業も増えてきました。廃止の理由は企業ごとに違うと思いますが、その理由のひとつにはパフォーマンスの低下が理由というのも事実ではないでしょうか。

私自身は、元々リモート勤務をあまり望んでいないタイプ。理由としては、デザインを生業とするうえで直接会うことによるメリットの方が高いという実感が強いから。もちろん通勤時間の短縮というかなり大きなメリットを享受でできることは実感もしているので理解できます。しかしながら、働く側と管理する側の両方の視点から見ると、出来上がる制作物、人間関係、チームワーク、目標達成率など複数の要素を総合的に判断すると、リモートワークには限界があると感じます

デザイナーという職業を選ぶ理由のひとつにどこでも仕事ができるから!という声を聞くことも増えましたが、案件の獲得~打ち合わせ~受注~制作~納品まで一度もお客様に会うことなく完結してお仕事ができているデザイナーは、ほんのひと握りの優秀なデザイナーだと思います。効率的だし、多様なツールでやり取りができるから会う必要ない!そのようなデザイナーでも仕事を依頼してくれるお客様は実際のところ多くはありません。

リモートワークを活用し成長できるのは優秀なデザイナーだけ

リモートワークを活用し成長できるのは優秀なデザイナーだけ

そもそも、時間管理や体調管理など誰の目も直接向けられていない自宅などで働くということが出来る人は、誰かがいようといまいと成果を出せる人であることは間違いありません。つまり、会社で仕事をしていた場合であっても、そのようなデザイナーは、必要性価値が高い人材であるため、声をかけられることがそもそも多い。上司が誘導しなくとも明らかに成長も早いし成果も出す。会社に対する貢献度も高い。周りの社員への影響力も高い。など、そもそもその人物(デザイナー)自体の価値が高いのです。それに比べ、特に秀でたスキルは特にない、業務は上司の指示待ち、新しい価値提案などもなく、スキルアップも時間がかかっている人が、リモートワークになったところで、今以上のパフォーマンスを発揮できるのか?疑問です。通勤時間の削減により本業への集中力や成果が上がるなんて都合の良いことはないのです。

リモートワークは自己責任が伴う

リモートワークは自己責任が伴う

リモートワークで働くことを希望するということは、成果主義で戦うということ、を意味します。デザイナーで言えば自分が作ったものと時間で評価されるということ。実際に真面目に業務に取り組む人も、ちょいちょいサボりながら業務に取り組む人も、同じ時間でどんなレベルのものをどれだけやったか?で判断されます。真面目に一生懸命やって並のレベルの成果物を10個納品する人、適当にサボりながらやってクオリティの高い成果物を20個納品する人、どちらが評価されるかわかりますよね?そこに、仕事に取り組む姿勢も性格も考慮されません。そのような基準の中で評価されるということ。その覚悟があるのであればリモートワークを正々堂々要求しましょう。

楽だから人づきあいが面倒だからでリモートすると後悔する

楽だから人づきあいが面倒だからでリモートすると後悔する

会社の中で仕事をしていると、少なからず人との関わりによりストレスは発生します。それが嫌だからリモートワークがしたい。自分ひとりで仕事をする方が楽だし集中できる。そんな理由でリモートワークを希望し会社に来なくなる人もいますよね。自分自身で、仕事のやりがいも達成感もモチベーション管理もしなければならない。往々にしてすべては、自己管理できるかどうか?外部からの視線や指導もなく、自ら様々な理由付けをしながら物事を進めていく。それも1年2年ではなく、5年も10年もです。その未来像がきちんとイメージでき自己管理できる自信があれば良いと思いますが、そうでないのならもう一度考え直してみた方が良いと思います。

私は決してリモートワークを反対しているわけではありません。そこに大きなメリットがあることも理解しています。しかしながら、どういった理由でそれを望んでいるのか?幾人かのリモートワーク希望者の声を聞いてちょっと心配になる場面があったので、綴ってみました。何かの参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました