ポストに入っているビラって見ますか?
毎日、帰宅した際にポストを開くと、何かしらのビラ・チラシが入っています。私はついつい仕事柄なのか一通り目を通しますが、その中でも「おやっ?」と目を引くものと、一瞬で「見る必要ないな」と思うものと大きく二つにあります。
おそらく、誰もが知っているサービス(企業や店舗)で、かつ過去にそのサービスを利用したことがある場合は情報を知りたくて全体をざっと見る傾向が高い。
しかしながら、知らない企業やサービスについてのチラシは一瞬で判断し二つ折りにして即ゴミ箱行き。ましてや新サービス告知であったり、新店舗オープン!などの場合、より早い時間で不要と判断しすぐに記憶としてもなくなります。
例えば「3日前にポスト入っていたチラシは何でしたか?」と聞かれたらきっと、ほとんどが「忘れた」と答えるのではないでしょうか。このように、ビラは配布すれば必ずきちんと全員が見るわけではありません。
認知の拡大を主とした目的とするならば、社名やサービス名を大きく表示するなどして手に取ってもらえれば、チラシの配布効果はあると思いますが、「商品の購入」や「お問い合わせ」をゴールとするならば、「そのサービスが消費者の抱える何の問題を解決するものなのか?」を明確にして消費者の問題解決のきっかけとしてもらう必要があります。
チラシはあくまできっかけ作り
チラシを作成し広告宣伝をしている企業からすれば、チラシをきっかけに何かしらのアクションを起こしてもらいたいところ…。しかし、ただ一方的な説明や宣伝するだけでは、そもそもある程度すでにニーズを持っている消費者くらいしか広告をきちんと見てくれません。
人が行動を起こす要因にはいくつかありますが、いきなり購入や入会、申し込みなど最終的なゴールを謳うのではなく、興味を持ってもらうきっかけとしてチラシは考えるべきだと著者(渋谷雄大さん)は言います。
渋谷さんは、訪問販売会社にて最年少トップセールスを樹立後、サプリメント専門チェーン事業部門の責任者として、ショッピングセンター・百貨店などへの出店戦略をはじめとして、人材育成、プロモーション・広報などを一手に引き受け多店舗展開を達成。
営業、人材育成、WEBプロモーションなど多岐にわたり精通し、各種講演を開いている実力者です。そのいくつもの経験から、チラシに関する考え方を説いた一冊になっています。『繁盛店が必ずやっているチラシ最強のルール(ナツメ社、渋谷雄大)』
チラシでモノを売ろうとするな。
チラシはもちろんその企業が利益を上げるための販促ツールであることに違いはありません。しかしながら、世間はまず広告に見慣れ飽きているのが現状です。宣伝されると嫌になるという何ともモノを売りたい企業からすると難しい状況です。消費者の悩みや問題を解決する手段として、そのヒントや解決策を提案するような、人に寄り添ったチラシを考える必要があります。
ただただ、キャンペーン告知を謳ったり、今だけ割引券を付けたり、目先のお得感だけでは人は動かないのです。料金の安さはもちろん大切なことですが、それよりもまず目を向けなければならないことは、人は何に困っているのか?自社の商品がどんな人の生活を豊かにするのか?そういった、ことを相談してみたい、話を聞いてみたいと思うようなきっかけとなるチラシを検討するべきなのです。
つまり、自社の商品で解決できる問題を、消費者の問題と認識させ自分事化するようなメッセージを込める必要があります。
ただのチラシ、されどチラシと。一枚の紙切れが生み出す利益も問題解決も実に大きなものです。WEB広告が主流の現在においても紙のチラシが効果を生んでいることは間違いありません。そのチラシの中で、勝ち残るには様々な工夫や戦略が必要なのは言うまでもありません。