2019年4月1日より、働き方改革関連法案の一部が施行され、2021年現在では、多くの企業においても重要な経営課題のひとつになっています。そして、昨今の新型コロナウイルスによるリモートワークや時短勤務など、これまでの働き方を根底から考え直さなければならない現実を迎えています。
働き方改革とは
『働き方改革とは、働く人々が、個々の事情に応じた多様な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革である。』とされていますが、そもそも多くの人々が誤った認識で捉えてしまっている印象も否めません。
IT技術や各種デバイス、通信技術の発展に伴い、もっと自由に仕事をしてもいいんじゃないか?というような、個人のワークスタイルの自由化のような意味合いだけと勘違いしている人も多い気がします。
そもそも働き方改革は「一億総活躍社会を実現するための改革」なのです。一億総活躍社会とは、少子高齢化が加速するなかでも、「50年後も人口1億人を維持し、職場や家庭、地域で誰もが活躍可能な社会」のこと。
首相官邸のHPでも「働き方改革の実現」として以下のように明記しています。
働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。
生産年齢人口の減少は深刻
少子高齢化に伴い、働き手(生産年齢人口)の数は、30年後の2051年には約5,000万人と現在から約2,000万人減少すると予測されています。参考までに20年前の2,000年時点では約9,000万人の働き手がいましたが、既にこの20年で同じく2,000万人が減少しています。労働者不足は年金問題だけではなく、社会の発展にも影響を及ぼしていきます。さらに追い打ちをかけるようにコロナによる業績悪化によるリストラや早期退職者など多くの人が仕事を失っている現実を迎えています。
つまりは、働き方改革の実現とは、働きやすい環境やルール作りを目指すことでは一致していますが、これまでの年齢を重ねればいつか定年を迎えて豊かな老後を過ごせるという理想は難しいのが現実で、年を取っても働き続けなければならない状況になっていくことを意味します。そのために、働き方改革を掲げ、どのような環境であっても働けるような社会にしていこうという取り組みなのです。
リモートワークで通勤がなくなり楽になった!など、ぬか喜びしていられません。
備えあれば憂いなし
2019年以降、会社側も副業を認めていく方向に社会全体が変化してきていますが、時代の流れに沿って、お給料という絶対的な資源の基盤が今、大きく変化しようとしています。本業である会社を辞めることなく、新たなフィールドを個人で探し求めながら収入を増やしていくスタイルは10年後、いや、5年後には当たり前のことになっているでしょう。
本書では、スマホひとつで場所や時間に拘束されずに月5万円の副収入を得る方法を様々なサービスを例に紹介しています。
例えば、写真素材を販売する「スナップマート」。テレビCMでも見かけるようになった、飲食のデリバリーサービス「ウーバーイーツ」など、昨今新たな話題となっている副業サービスも掲載。実際に「副業」を実践している人のインタビューやノウハウも徹底解説。『スキマ時間で月5万円の副収入!副業の教科書(インプレス、秋葉原副業総合研究会著)』
安心して副業をはじめるためのQ&Aからいくつかご紹介します。
副業に関する基礎知識
副業をしたら確定申告は必要?
実際に副業をはじめて、「所得」が年間20万円を超える場合には確定申告が必要です。 税務署はあなたの口座に振り込まれた金額を把握しています。「どうせわからないだろ・・・」とは考えずに、「副業で利用した費用(経費)の領収書」は必ず控えておくようにしましょう。
所得(副業収入)が年間20万円ってすぐに超えそうだけど…
「所得」は「副業収入」から「経費」を引いたものになります。
例えば、経費(PCやプリンターの購入)に5万円支払い、副業収入が30万円であった場合の所得は「25万円」になります。この場合は確定申告が必要になります。
パソコンやスマホって経費になるの?
実際のところ、何が経費になって、何が経費にならないのか?は、税務署の判断によるものなので一概に正解がありません。また、電子機器のパソコン、スマホ、プリンター、インク代などは10万円未満であれば経費計上が認められるので、経費としてスマホやPCを購入することも可能です。
確定申告って会社に副業を知られてしまうの?
確定申告の際に「普通徴収」として申告をすれば知られません。年間で20万円を超える所得をした場合は、確定申告が必要になりますが、確定申告をすると住民税が増加してしまいます。そして住民税が増加すると、会社にはその情報が伝わるため副業を知られる可能性は高いでしょう。
会社に副業が知られないためには、確定申告の時に「給与所得以外の所得に係る住民税」の徴収方法を「特別徴収(給与からの差し引き)」ではなく「普通徴収(自分で納付)」にして、自分で住民税を支払うようにしましょう。
会社の就業規則に「副業禁止」と記載があったら副業はできない?
本来、会社は従業員の副業を制限や禁止することはできません。
社員というのは、会社と雇用契約により定められた勤務時間にのみ労務に服するのが原則であり、就業時間外は副業への従事も含め、自由に過ごすことができます。ただし、過重労働の防止や、会社の信用、秩序を守るために副業を「許可制」とすることまでは許されると考えられます。会社と揉めないように、黙ってやるのではなく、きちんと理由を伝えたうえで承認を得て気持ち良く副業することをおすすめします。
最後に…
以上、働き方改革と副業についてざっとお話させていただきました。デザイナーという職種の方は比較的副業をしやすい時代になっています。自分のスキルを貢献できるフィールドは今後も増えていくと思いますので、チャレンジしてみるのも良いと思います。