WEBデザイナーが知っておきたい!WEBとDTPの“デザインの違い”

WEBデザイナーが知っておきたい!WEBとDTPの“デザインの違い”

先日、とあるプログラマーさんに「WEBデザインとDTPデザインって何が違うの?」と聞かれ、明確な答えをすることが出来ませんでした。デザイナー間では、「そりゃ色々違うでしょ!」って感じなんですが、外部の人から見れば、「デザインすることは一緒だし、使用するソフトや形式が違うだけでしょ!」っていう風に感じるようです。




私はWEB畑で育ってきましたが、現在の仕事内容のほとんどをDTP/印刷物のデザイン業務が占めています…。デザインするという広い意味で見れば、「紙」も「WEB」も同じ方向を見ているのかもしれませんが、やはり同じではないですよね。ロクにIllustratorも使えなかったので、紙畑の同僚に基礎的なことをちょこちょこ教えて頂いて、なんとかやってこれている次第です…。

そんな私ですが、ここまで何となく知ってきた「WEBとDTPの違いについて」簡単にまとめてみました。

DTPとは?

Desk Top Publishing」の略で、パソコン上で作成したデータにより、印刷物や出版物を制作することを言います。デザイナーであれば経験のある人も多いかもしれませんが、「名刺を作ったことがある」や「簡単なフライヤーを作ってみた」などがそれに当たりますね。

かつては、印刷物や出版物を制作する際には、データ作成から印刷までを印刷会社に頼まなければいけませんしたが、DTPという手段が広まり、個人のパソコン上で印刷物のデザインやレイアウトなどを作成し、そのデータを印刷所に持ち込むことで印刷することが可能になりました。

それ以来、アメリカを中心としてDTP作業が発展し、日本国内においても1991年頃から導入されはじめました。その際に、DTP自体がMacの開発により広まってきたという経緯もあり、DTPと言えばMacというのが一般的な風潮になりました。その後2000年以降にWindowsでのDTPも導入され今ではMacユーザーでもWindowsユーザーでも、問題なくDTP作業が出来る環境になっています。

DTPデザイナーとDTPオペレーターの違い

企画された印刷物をに沿ってライターが文章を作成し、カメラマンが素材となる写真を撮影、それらを元にデザインのレイアウトを考えるのが「DTPデザイナー」です。そして、そのデザイン案を元に自裁にデジタルデータを作成し印刷所へ入稿するのが「DTPオペレーター」になります。しかしながら最近では、デザインを考える段階からデータ作成までを一貫して行うこともありますが、その場合はDTPデザイナーと呼ぶ範囲になります。

DTPの動向

人々の活字離れや、デジタルデータの普及により、ここ最近では急速にデジタル化が進んでいます。そのことにより印刷業界の景気が悪くなっているのも現実で、元々はDTPデザイナーの職に就いていた人が、今はWEBデザインを手がけているというのも多くなってきました。

今後は紙媒体が衰退すると言われていますが、決してゼロになるということも考えられません。新聞・雑誌・チラシ・広告・看板など、巷には今でも数多くの印刷物が存在します。いくら便利で安く済むといってもすべてがデジタル化するというのも現実的でなく、紙の持つ力は確実に残っています。逆に考えれば若者の多くがWEB媒体に進む傾向にある中で、敢えて紙媒体の技術を持っている人材もそれは貴重な存在となります。そういったことを踏まえると、WEBもDTPも両方出来るクロスメディア対応のデザイナーというのが、ますます重宝されるのかもしれません。

ビジュアルについて

WEBは、そのページをスクロールして閲覧することが大前提になっています。ユーザーの閲覧環境やデバイスによってもその見え方に違いがあるため、一概にこれがベストというものがひと目ではわかりづらい傾向にあります。

紙媒体の場合は、実際に手に取って目の前でその全体像が見えるので、わかりやすい反面、落ち度も目立ちやすいものになります。

レイアウト

WEBデザインの場合、良くも悪くもある程度の制約が存在するため、ある程度の箱の中に綺麗に中身を並べていくような感覚が強いです。

紙面上においてはその大きさもそれぞれ形も四角い画面とは限りません。つまり自由です。その自由がデザイナーのスキル次第で表現に違いが出やすいとも言えます。

文章

WEBサイトの場合、読みやすいか読みにくいかはもちろん大切な項目ですが、基本的にテキストメインのサイトにおいては、いくらサイト側で調整をしても、ユーザーエージェントによる設定の違いにより意味をなさなくなってしまう可能性も高いので、より平均値をとって見やすい。などのある程度の基準でデザインすることが前提となってきます。

それとは逆に印刷物にな関しては、改行位置や強弱なども含めて細やかなレイアウト技術が求められます。色調や紙素材までも、理想とする作品に仕上げるという根気強さや柔軟な発送が求められます。また、WEBに比べてデザイナーのセンスが浮き彫りになってきます。

CMYK

RGB(加法混色)で表現される色を紙などに印刷する場合、塗料や染料によりすべての色を再現することが出来ません。そのため、印刷物に関してはCMYK(減法混色)にする必要があります。

CMYKは、C(Cyan)シアンM(Magenta)マゼンタY(Yellow)イエローK(Key Plate)キー・プレートから成り立っています。CMYの三色により黒を表現することも可能ですが、実現する黒をより強めるためにブラックを補いCMYKが使用されています。

しかしながら、「C:0%+M:0%+Y:0%+K:100%」では、実際の黒は表現が出来ません。そのため他の色も混ぜることで真の黒にできる限り近づける方法が取られ、印刷会社によって推奨されている値はマチマチですが、「C:30%+M:20%+Y:20%+K:100%」で印刷する場合が多いようです。この真のブラックのことを区別して「リッチブラック」という呼び方がされています。

また、データ入稿の際には、CMYKの色指定を1%ずつの細かい指定ではなく、おおよそ5%刻みで指定するように心がけましょう。1%や2%の色の違いを表現するのは難しいことなんですね。

解像度

WEBの場合の解像度は72dpiで良いかと思いますが、印刷媒体の場合は対象物によって解像度を調整することが推奨されています。

▼大別すると以下のようになります。

名刺・フライヤー・カタログ・パンフレットなど 350dpi
ポスター・中吊り広告など 250dpi
看板・案内板など 150dpi

画像形式

ここ最近は印刷会社も柔軟に対応してくれるところが増えているため、「PSDやJPG形式でも大丈夫ですよ。」と言ってくれる場合もありますが、できる限りEPS形式で入稿することが推奨されます。

ひとまず簡単なところだけの説明になりますが、大雑把には違いがわかるかな~と思います。いや、全然わからないよ!って言われそうですが、少しづつこれだという説明に近づけるよう努力してまいります。

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