デザインをするうえで基本となる“レイアウト”について、まずは「グループ化(接近効果)」について見ていきましょう。
消費者に正確に情報を伝えるためには、企業側が伝えたい情報(画像や文言)をきちんと整理したうえで、要素をいくつかのグループに分け、カテゴリーごとや同じような意味合いの要素同士を単純に近くに配置します。
ゲシュタルトの法則を利用する
人は無意識のうちに、同じ形・色をしたものや、近くにあるもの同士を1つの「まとまり(グループ)」として認識する。
この性質のことを「ゲシュタルトの法則」と呼び、多くの人が持っている感覚のひとつです。デザインにおいてこの性質を上手く利用することで消費者に対し、迅速かつ正確に情報を伝えやすくなります。
具体的な方法としては、同じグループの要素や類似要素同士を近くに配置する、または、反対に関係性の低い要素を離して配置することで自然に空間的なグループ化が生まれます。また、特に目立たせたい要素がある場合、他の要素からあえて離し余白を作り上げることで浮いた存在にさせます。そうすることで、自然と視線を誘導しやすくなり、紙面に明確なグループを作ることによって、全体にまとまりが生まれ直感的に内容を理解しやすくなります。
要素を理解してレイアウトを決める
デザインを構成する要素の役割を理解し、優先順位を明確にすることで効果的なグループ化が出来るようになります。
グループ化のポイント
①同じ意味や役割を持つ要素をまとめる
②関連性の低い要素につながりを作らない
③「地」を上手く利用する
※「地」…余白のこと
名刺の場合、
①会社名
②肩書き&名前
③住所&連絡先
の3つのグループに分けることができます。
グループ化の種類
接近
ルールがなくても接近した要素同士は、同じグループと認識されやすくなります。かたまりがひとつのグループのように感じ、情報が整理される効果が期待できます。
類似
同じ色や形をした要素同士は、同じグループと認識されやすい。
閉合
()のように閉じた形の要素同士は、同じグループと認識されやすい。
このように、配置ひとつで情報の伝わりやすさは変わってきます。なんとなく羅列して終わりではなく、直感的に第三者が理解しやすいデザインを心掛けることが良いデザインへと結びついていきます。手の込んだ技法などを駆使することよりも、シンプルに見やすさ・わかりやすさをまずは追及してみてください。