著作権には「著作財産権」と「著作者人格権」があると前回の記事で説明しましたが、このふたつの権利はどのくらい保護されるものなのか?
著作財産権と著作者人格権の保護期限は異なる
著作財産権の保護期間
著作財産権は、著作者が誰かわかっている状態でありそれが実名(ペンネームも可)の個人である場合は、著作者の死後70年までになっています。
また、著作者が不明である場合や団体名義の場合は、その著作物の公表後70年になります。
ただし注意すべき点は、この70年は“ 公表された日から70年ではなく、公表された翌年の1月1日から70年 “という計算方法になります。
著作者人格権の保護期間
著作者人格権については、創作者が生きている限りは保護されますが、亡くなった時点で消えます。団体や会社などが著作者である場合は、その団体や会社が解散したときに保護期間が終了します。
著作権を侵害された場合に主張できる権利
自分が創作した著作物を勝手に第三者に利用されていた。などが判明した場合にはどうすればいいのか?実際に当事者にならないとわかならないことが多いと思いますが、まずは民事上の救済を求めることができます。
著作権者が主張できる権利は4つあります。
不当利得返還請求権
自分が創作したイラストなどを第三者が複製して販売しているなど、その行為によって第三者が利益を得ている場合、そのイラスト勝手に複製し販売したことによって得た利益を返すように請求することができます。
損害賠償請求権
勝手に自分の著作物を複製利用されたことによる損害を被った分を賠償しなさい!と主張ができます。ただし、多くの場合どのくらいの損害額なのか?を計算するのは難しいケースが多いため、算定規定が設けられています。
差止請求権
複製販売行為そのものをやめなさい!と請求できる権利です。複製された商品の破棄や製作をしないよう求めることができます。
名誉回復措置請求権
著作権者の意図しない形で利用されたことにより名誉を傷つけられるのは「著作者人格権」と「実演家人格権」の侵害に該当します。対応としては、新聞や雑誌に謝罪広告を出させる、公に対して訂正をしてもらうなどの措置を求めることができる権利です。
また、この4つの権利は著作権者だけではなく、実演家、著作隣接権を持っている人であれば誰でも行使することができます。ただし、名誉回復措置請求権に関しては、著作者を実演家のみが対象になります。また、仮に著作権者や実演家が既に亡くなっている場合に関しては、遺族が名誉回復措置請求権や差止請求権を行使することができます。
このように、まずはどんな権利があり主張できるのかを理解しておきましょう。