地方で生きるにはマーケティング力

地方で生きるにはマーケティング力

“クリエイティブ”という言葉の意味は何を指すのか?これはデザインに限ったことではなく、「創る」ということにとらわれない定義があると思う。折り紙を折るというのもクリエイティブで、秋刀魚を焼くというのもある意味クリエイティブである。つまり、その意味は多種多様で難しい。

では、デザイナーという立場から見たらどうなのか?ものづくりに近い仕事をしている人にとっては次のように解釈ができる。

「誰かの感情を動かす仕掛けをつくること」

デザインしたもので、人の心にメッセージを届けること。最近の広告で言えば、いいねとか、シェアとか、欲しいと思ってもらうとかがそれに近い。

自分が良いと思うものを作っても誰かの心に変化を起こすことができなければ、それは自分だけのものでしかない。部屋でプラモデルをつくって棚に飾っているのと同じこと。すべては自分のためにで完結してしまう。自分ではない誰かに影響を与えるものや仕組みを作ること。それがデザイナーにとっての“クリエイティブ”である。

地方でクリエイティブな仕事をするのに必要なこと

会社の中でクリエイティブをしているのとは違い、地方という未開拓の地でものづくりをするには、様々な工夫が必要になる。「良いものを作る」以上に「どう届けるか」が重要で、ものよりも導線設計。つくることばかりやっていても、その出しどころ自体を見つけられない。つまり「マーケティング力」があるかどうかで、地方でやっていけるかどうかは決まってくる。

自分が消費者に提供できるサービスの価値、それを欲しいと望む需要。それが合致していないとそもそも自分がつくるものは売れない。いくら良いものだと叫んでも、そもそも必要ないのだから仕方がない。欲しいもの、必要なもの、あったらいいなと思うものに、自分のサービスが当てはまるのかどうかを考え、ある程度サービス内容の微調整も必要だ。それには、自分のつくるものを変えていく柔軟性や主体的に動く行動力も身に付けなくてはならない。『地方でクリエイティブな仕事をする(玄光社、笠原徹著)』


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