個人事業主や小さな会社の社長に必要なブランディング思考。
売上を上げるための、誰にでもできる小さな工夫の数々が記されています。
・大手と同じことをしようとしても勝てるわけがない!
・二番煎じで同じことをしても値切られて価格競争に巻き込まれるだけ!
・他と違う強みはなに?
と思考を廻らせてはみたものの糸口が見つからない・・・。そんな人におすすめの一冊です。いくつもあるヒントの中から、ひとつずつ取り入れて実践していくことで扉が開くかもしれません。著者の小澤氏は、デザイナーとして独立後、営業経験がないことに苦労しブランディング活動に注力し現在はコンサルタントとして活躍中。『単価を上げても選ばれ続ける ひとり社長ブランディング、日本実業出版社、小澤歩』
「○○といえば、あなた」と思われる存在を目指す
何でもやります!何でもできます!
ではなく、小さな分野でも良いので「○○ならあなただ!」と言われるような存在になる。この場合、定義が広すぎては駄目で、「WEBデザインなら○○」や「マーケティングなら○○」など、カテゴリが大きすぎると難しい。ある程度絞り込んだニーズ「新卒採用ブランディングといえば○○」や「インスタグラムマーケティングといえば○○」など、少し小さな分野での1番を目指すことがキーになる。
お客様はモノに対してではなく問題解決に対してお金を支払う
消費者が何かを購入するとき、そのモノ自体が欲しいだけではありません。購入した商品やサービスにより、自分の求めるニーズを解決したいのです。
例えば「コードレス掃除機が欲しい」というAさんがいます。Aさんはコードレス掃除機が好きで集めているわけではありません。今までコードありの掃除機を使用していて、掃除する部屋ごとにコンセントを差し替えたり、重い本体を持ち上げて移動していたりと、手間も時間もかかってしまっていることに不満を持っていました。
そんなAさんに対して、コードレス掃除機の最新機能を細かく説明していたり、今だけキャンペーン中で、値段が安いから今が買い時!と営業してもほとんど響かないでしょう。そもそもコードレス掃除機が欲しい理由をきちんと聞くことができれば「手間も時間もかかる掃除をもっと楽にして、自分の好きなことに集中できる時間を作りたい」というような本当にニーズの話が出てきます。そうなれば、コードレス掃除機ではなくて「お掃除ロボットの方がおすすめです!」と、別の解決策を提案もできるようになるのです。
そもそも、掃除するのが手間だからやりたいくない・・・。というのがAさんの本音であれば、断然お掃除ロボットをおすすめした方が、Aさんの悩みの解決にはなるかもしれません。
このように、お客様が「意識的に思っているニーズ=顕在ニーズ」ではなく「気付いていないニーズ=潜在ニーズ」を掘り起こすことができるかどうか?という質問ができるかどうかが鍵になります。お客様が本当に困っていることを絞り込んでアピールしていくために、質問力も必要不可欠になります。
人が行動するモチベーションパターン2つ
我々が何か行動を起こそうとするときの心理は大きく2つのパターンに分類されます。
1.目的追求型
目的追求型は、何か自分が目標とすることがあって、それを得られるために必要なものであることが理解、納得すれば行動を起こすタイプです。
2.問題回避型
問題回避型は、○○になるのは嫌!という避けたい状況やリスクが提示され、自分が望まない結果になることを避けたいと理解・決心すると行動に移すタイプです。
この2つの型は、Aさんは目的追求型!と限定するものではなく、Aさんにおいても場面や状況で問題回避型になることもあります。その時の心理状況によって変化するので会話の中からどちらのモチベーションタイプかを探り出し、適切なアプローチをすることが重要です。