チラシでモノを売ろうとするな。

チラシでモノを売ろうとするな。

毎日、帰宅した際にポストを開くと、何かしらのビラ・チラシが一枚は入っている気がします。ついつい、仕事柄チラッと目を通してしまいますが、その中でも目を引くものとすぐに記憶から消し去るものと大きく二つに大別されます。

おそらく、それを見た人が少なからず興味のある宣伝であれば、人は一度は目を通すかもしれませんが、元々興味のかけらもないものや、その需要が不必要な場合はただの紙切れでしかありません。

チラシを作り撒く側としては、そのチラシをきっかけに何かしらのアクションを起こしてもらうために費用をかけて宣伝活動をしています。しかし、ただ一方的な説明や宣伝ではほとんどの人はただの情報として程度にしか伝わらないもの。

人が行動を起こす要因にはいくつかありますが、いきなり購入や入会、申し込みなど最終的なゴールを謳うのではなく、興味を持ってもらうきっかけとしてチラシは考えるべきだと著者は言います。

著者の渋谷雄大さんは、訪問販売会社にて最年少トップセールスを樹立後、サプリメント専門チェーン事業部門の責任者として、ショッピングセンター・百貨店などへの出店戦略をはじめとして、人材育成、プロモーション・広報などを一手に引き受け多店舗展開を達成。

営業、人材育成、WEBプロモーションなど多岐にわたり精通し、各種講演を開いている実力者です。そのいくつもの経験から、チラシに関する考え方を説いた一冊になっています。『繁盛店が必ずやっているチラシ最強のルール(ナツメ社、渋谷雄大)』

チラシでモノを売ろうとするな。

チラシはもちろんその企業が利益を上げるための販促ツールであることに違いはありません。しかしながら、世間はまず広告に見慣れ飽きているのが現状です。宣伝されると嫌になるという何ともモノを売りたい企業からすると難しい状況です。消費者の悩みや問題を解決する手段として、そのヒントや解決策を提案するような、人に寄り添ったチラシを考える必要があります。

ただただ、キャンペーン告知を謳ったり、今だけ割引券を付けたり、目先のお得感だけでは人は動かないのです。料金の安さはもちろん大切なことですが、それよりもまず目を向けなければならないことは、人は何に困っているのか?自社の商品がどんな人の生活を豊かにするのか?そういった、ことを相談してみたい、話を聞いてみたいと思うようなきっかけとなるチラシを検討するべきなのです。

つまり、自社の商品で解決できる問題を、消費者の問題と認識させ自分事化するようなメッセージを込める必要があります。

ただのチラシ、されどチラシと。一枚の紙切れが生み出す利益も問題解決も実に大きなものです。WEB広告が主流の現在においても紙のチラシが効果を生んでいることは間違いありません。そのチラシの中で、勝ち残るには様々な工夫や戦略が必要なのは言うまでもありません。