本当にやりたいことをするために、やりたいくないことを効率化する。そもそも、この考えの元この世に生み出される商品やサービスが存在すると思うけれど、気が付けば僕たちは、自分がやりたいことまでも時間と手間を省いてしまっているような気がする。
コーヒーを淹れるのが好きだった著者が、いつの間にかスターバックスのインスタントがあまりに便利なので、私は「好き」なことをほとんどしなくなった。というように、好きでしていたことが便利だからとか効率が悪いからとかで、カタチを変えてしまっている現状に気が付いたのだ。
モノであふれる現代社会において、食べるものひとつをとってもどこでどんな風に育てられたのか?それを知る由もないし知ろうともしていない人が多い。すべてではなくとも、自分は「好き」と感じるものくらいは時間も手間もかけてもいいのではないだろうか。そんな思いを抱かせてくれる一冊『限りある時間の使い方、かんき出版、オリバー・バークマン著』
僕たちの人生は長く短い。人それぞれその時間は違うけれど、必ず終わりはくる。わかっていながらもどこか他人事であったり、蔑ろにしてしまっている事実を日々感じながら過ごすことで、僕らの毎日は変わってくるはずだ。
自分が死ぬという事実、そして自分の時間がとても限られているという事実を骨の髄まで実感したとき、人生には新たな奥行きが現れる。
便利さと引き換えに「好き」を手放していることはないだろうか?皮肉にも便利な商品やサービスによって僕らは微妙に不幸になってしまっている。