広告制作において重要なコピーライティングですが、仕事をしていると自然な流れで携わる機会が多くあります。制作指示書には「キャッチコピー」とだけ書かれており、とりあえずアテを入れておいてデザインを作成を進めることが多いですが、大体にして最終までコピーは決まらず依頼主から決定事項が来ない…。
なんてこと結構ありませんか?
まぁ無理やりコピーを急かしても、スタッフが思い付きで考えたものがポンっと投げられるのがオチなので、無理にコピーを求めても良いものが来るとは思えないので、とりあえず待ってみることが多いのですが、デザインをしていく中でこのコピーに何を置くのか?でレイアウトもデザインも変わってくるのが当然のことなんですよね。
なので、私の場合は提案としていくつかコピーを考えて入れてしまうことが多いのですが、実際に考えてみるとやっぱり難しいなぁとつくづく感じます。デザイナーがコピーライティングもするというのが正しいのか?というのは置いておいて、コピーの知識や考え方は持っていると役に立つスキルであることは間違いありません。
そこで、コピーライティングについて元電通マンによる、売れる言葉のつくりかたをまとめた書籍、「ほしいを引き出す言葉の信号機の法則、ぱる出版、堤藤成著」をご紹介します。
買いたくなる言葉とは
ビジネスにおいては、自ら作ったものや用意したものを有形無形問わず、誰かに「売る」ことで売上を立て利益を得る仕組みであることに間違いはありません。
ただし、それを必要としていない人に無理やり売っても何も問題を解決はしないのです。あくまでも困っている人の悩みや問題を解決する「きっかけを提供する」ということが大前提にあります。
相手の困りごとに目を向け、
自分の存在意義を見出し、
どんな後押しができるか?
言葉の信号機の法則
世界中に広まっている信号機(赤・青・黄)は、すべての人の悩みや問題を解決し社会をうるおしているからこそ、世界中に普及している。
とどめる赤・・・問題解決(顧客のニーズ)
キャッチコピー
とどめる赤は、様々な「不」に注目することが重要。
不安、不満、不足、不快、不便、不慮、不都合、不可解、不思議など。
そもそもビジネスは「不」の解決なのだ。
不安 | 保険や不動産投資 |
不便 | 車や電車、飛行機やバスなど |
不足 | コンビニエンスストア、ドラッグストア |
不都合 | 無農薬野菜 |
不思議 | 遊園地などのエンターテインメント |
こうした「不」の解消のためであれば、人々は喜んで「買いたい」と思う。つまり、相手が関心を持つ「不」に関する言葉を投げかけると生理的に人は動く。
すすめる青・・・価値創造(自社の存在意義)
タグライン
すすめる青は、自社のサービスや商品が「不」を抱える人々にどんな変化を提供することができるのか?を言葉にすること。
きになる黄・・・行動喚起(求める行動)
CTA (Call To Action)
赤と青で提示しても尚、一歩踏み出せずに「不」の解消に至らない人も実際に多いもの。そこで、困っているのに一歩踏み出せずにいる人に対して踏み出す「きっかけ」をつくればいいのだ。
商品を「売る」うえで大切なこと
自社の商品やサービスの何が他社のものと比較して優れているのか?という質問に対して「何も言葉が出てこない」のであれば、その商品を売ることを今すぐにやめるべきです。自らが販売するものの価値に気付いていないのであれば、売れるわけがありません。
まずはきちんと自社のメリットを言葉にすること。そして信じること。他社の商品よりもすべてにおいて有利である必要はありません。○○では敵わないけれど、△△では自社の方が有益だ。ということ明確にすること。それでも見つけられなければ、立場や状況を変えて違う視点で見てみてください。
どうやって人に「売る」かではなく、
どうやって人を「うるおす」か、を考え抜くこと。
そして、その方法を考え抜くのです。